Chateau de Gironville
シャトー・ド・ジロンヴィル
J.P.モルガン銀行のエリートからシャトーオーナーへの転身
ワイン好きが高じて180度違う人生を選択したヴァンサン・ムリエ氏が所有した3つのシャトーのひとつ。「ヴァンサンの遺志は今でもしっかりと心に刻んでいるよ。」
プティ・ヴェルドにも適した特別な畑
記録によると18世紀からワインを造っていたとされる現在のシャトー・ド・ジロンヴィルの畑はマルゴーに隣接するマコー地区。当時の格付けはクリュ・ブルジョワ・スペリュール。しかし1863年のフィロキセラ被害で全滅し、以来畑から葡萄の樹が消え松の樹が植えられていたという。
ところが1987年、シャトーの前オーナーであるレミー・フーアンが古い文献などからこの土地が葡萄栽培に適した土壌であることを知り、約10haの畑を購入した。
この地区の土壌は砂の混じった粘土勝ちの石灰土壌でメルローの栽培比率の高いシャトーが多い。ジロンヴィルの畑でもメルローの栽培比率は高いが、周りの畑に比べ砂が多く、プティ・ヴェルドの比率も高い。
2003年にこのシャトーを購入したヴァンサン・ムリエ氏は「この畑は地中深くまで砂や砂利が多い土壌で、保温性に優れた性質は熟すのが遅いプティ・ヴェルドにも適している特別な畑なんだ」と教えてくれた。
粒が小さいため果肉の比率が低いプティ・ヴェルドは熟すのが他の品種より遅く栽培の難しい品種とされているが、十分に熟したそれは豊かなタンニンを与え深い色実と重厚な味わいを生む。
エリートの道を捨て好きなワインを造る
名門J.P.モルガンのバンカーでのエリートのから転身してワイナリーのオーナーとなったヴァンサン・ムリエ氏は元来の緻密で理論的、かつ大胆な発想の持ち主。
もともと大好きだったワイン造りのために猛勉強を重ね豊富な資金力をもとに3つのシャトーを購入した。シャトー・ベル・ビュー、シャトー・ボレイル、そしてこのシャトー・ド・ジロンヴィルだ。
いずれもオー・メドックのシャトーだが、「このジロンヴィルの濃厚で繊細な味わい最も自分の理想とするワイン」と話すほどこのシャトーに特別な愛着を持っていた。
44才の若さで生涯を閉じた
収穫された葡萄は 100%除梗。厳しい選果を行い 低温浸漬を経て発酵に入る。酵母は自然酵母のみ。 発酵期間は年に夜が約 2 週間。 ルモンタージュではなく、ピジャージュを採用してい て基本的には 1 日 1 回だが果皮の状態によって変 えている。バリックで最低 24 ヶ月熟成。1/3 は新樽 を使用。 「ジェローム・シェゾー」のワインは「ヴォーヌ・ロマネ」 らしい太陽を感じさせるおおらかな果実味が特徴的。 甘みがのって気難しさがない。 若いうちから親しみやすく、2〜3 年の熟成で果実以 外の美味しさが出てくる。典型的な「ヴォーヌ・ロマ ネ」ではない。「ジェローム・シェゾー」のワイン。
「ヴァンサンはいつも心に残るワインを造りたい。そのためには手を抜かない、必要以上に手を加えないと言っていたよ。」とバッシュ氏は語る。
またバッシュ氏によると、「ヴァンサンは畑に出るのが好きでね。暇さえあれば畑を見回っていたよ。プティ・ヴェルドの育成状態に特に気を使ってたな。」と話す。
3つのシャトーの中でこのシャトー・ド・ジロンヴィルが最もプティ・ヴェルドの比率が高く、年によっては30%近くブレンドされた年もあった。
近年では主要品種であるメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンの樹齢が高くなり、また収量の制限によって栽培の難しいプティ・ヴェルドのもつ個性を補うことが出来ているため、その比率は約10%程度に下げたものの、近隣のシャトーに比べたらまだまだ高い。
「ヴァンサンの大好きだった頃のジロンヴィルはそのままだよ。」とバッシュ氏は言う。他の醸造スタッフも替わることなくヴァン・ムリエ氏の遺志は受け継がれている。
商品説明
Name
| Chateau de Gironville
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生産地
| フランス・ボルドー地方
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生産者
| シャトー・ド・ジロンヴィル
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生産年
| 2013
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タイプ
| 赤ワイン
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ブドウ品種
| メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・ヴェルド
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味わい
| ミディアムフルボディ
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アルコール度数
| 13%
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内容量
| 750ml
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